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酔狂…骸雲
「っ……!!」
身体に絡み付く
蔦の感触がヌメヌメしていて気持ち悪い。
これをどうにか自分の身体から
離そうとしてみたが
もがけばもがく程に、緑色の気持ち悪い蔦は
全身に絡まり、気付けば身動きひとつ出来ない状況になっていた。
そして─────
これを仕掛けて来た張本人は
まるで飼っているペットでも見ているように
『微笑ましい』と言った顔で見下ろしている。
今まで、人を噛み殺したいと思ったことは
数知れないけれど…これ程までに
噛み殺したいと思ったのは、今までに無いのかも知れない。
「君…何か良くわからないけど、早くこれを解きなよ」
「クフフ…だから、何回も言ってるじゃないですか…」
ソファに深く腰掛け
優雅に足を組んでいた男が
こちらに近付き、掌を差し出す。
嘘臭い笑顔のまま。
「僕を愛していると言ってくれたら…開放してあげますよ」
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