一人目

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─俺はいつの間にか気を失っちまってたのか?─ 俺は耳に纏わりつくような喧騒と体に走る痛みで瞼を開けた。 「…ん?ここは…何処だ。」 目の前に広がる光景に俺は未だに夢でも見てるんだろう?と困惑していた。 ヨーロッパ風の家がこれ見よがしに建ち並んでいる。俺の脳がここを街だと判断するのにさほど時間はかからなかった。 俺は先程からチラチラと軒並み並ぶ家々の隙間や自分の真上をまっすぐに行き交うものが気になりはじめた。 そこには、さも翼を手に入れたように人々がほうきにまたがって悠々と空を飛んでいた。 「おい!お前さん大丈夫か!?ほうきから落ちたのか?」 いきなり声をかけられた事により驚き一瞬身を固まらせた。 声のする方をみると、 その声の主が老人と一目で分かるような白い長い髭、優しげな雰囲気を醸し出している顔の皺。 その老人の背丈くらいあるであろう先端がとぐろを巻いた木製の杖。 さらに驚くべきはその身長、ゆうに2メートルは越している上に尖り帽子。 これは悪い夢だろう。 なんだこの露骨に魔法使いは? と痛みと突如湧き上がった嫌な思考で表情を歪めた。
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