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昔絵本でみたようなその光景は、
私に有無を言わせぬかのように平然と存在している。
ぽかんと口を開けていると先ほどの老人が杖を前に出してきた。
「怪我をしているみたいだな…大丈夫か?頭は打ってないか?」
老人はそう言うと杖の蜷局を巻いたほうを私に向けた。
「どれ、一応みてやろう"ライブラ"」
そう言うと、杖の先端がうっすらと光り、その光は機械のスキャンのように、頭から足にそって降りていく。
その光は暖かく、どこか優しい光だった。
私は初めての事に少々戸惑った。
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