所詮玩具

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道化には気になる玩具(ヒト)があった 己に数多の仮面を求め 数多の仮面を被り 猶且つその全ての仮面を使いこなす玩具があった だが 所詮玩具 ただの玩具が 例え仮面(ペルソナ)による偽りの人格(パーソナリティ)だとしても 数多の人格を持って自我を保てるわけがない だが ソレは耐え続けた ヒトにとっても短く 道化にしてみれば一瞬にも等しい時間だったとしても 耐えた ただ純粋に 出会った全ての相手を傷つけたくないという一心で 己の心が壊れていく事になど気づきもせず そして壊れた だがソレを真に気に掛けるモノなどない 所詮他のモノを傷つける事を恐れ 仮面で己の内面を隠し 偽りの人格で接してくるモノに対して 結局は己が傷つくのが一番イヤなモノに対して 気に掛けるモノなどない だが少なくとも道化は気に入っていた そういう己が一番可愛いという玩具が 壊れていくのを観るのが一番気持ちいいから
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