諦める夢

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 今日のお昼は久しぶりに一人で食事をとった。  ほんとならあびにゃんと食べる予定だったのだけど、あの子ったら早速コスプレ衣装作りにかかってしまい、一緒のお昼はパスされることになった。  好きなことに対して行動力が人一倍強いのがあびにゃんのいいとこだけど、反面頑張りすぎるのがあの子の悪いところだ。  後で差し入れついでに無茶しないよう言いにいくか。  そんなことを考えながら、あたしは屋上へと足を運んだ。 「うーーん」  屋上に作られた庭園の芝生で横になり、グッと背筋を伸ばす。  この場所はあたしのお気に入りのリラックスフィールド。疲れた時はよくここで休憩を頻繁にとっている。  天気のいい日にしか使えないのが残念だが、人気もなく静かなので一人でゆっくりするのには最適な場所だ。  ちなみに、今あたしは屋上庭園の一番端側にいるため、滅多なことでは人には会わないので、こうして横になれている。  今日は天気がいいお陰か、陽気は気持ちよく、吹く風も清々しい。あまりの心地よさと静けさに加えて最近の徹夜続きがたたり、急激な眠気が突如襲ってくる。  意識が段々と薄れていく。  今ここで寝たら午後の授業は確実に出れない。  ……まっ、別にいっか。普段真面目にやってるんだし、偶にサボったって……。  瞼が重い。  休むと決めたならさっさと寝よう。  あたしは襲いくる眠気を受け入れ、そのまま眠りへと落ちた。
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