諦める夢

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『あるところに、とってもやさしいいぬのおばあちゃんがいました』  おっとりとした優しい声がお話を語る。 『いぬのおばあちゃんのうちには、さんにんのどうぶつさんがよくあそびにきていました』  声の主が話しているのは、なにかの童話だろうか? 『だれよりもたかくとべるからすさん。あらうのがとくいなあらいぐまさん。ちからもちなライオンさんのさんにん』  不思議とその話には聞き覚えがあった。だけど、どこで聞いたのか思い出すことはできない。 『あるひ、さんにんはささいなことでけんかをしてしまいました』  そもそも。 『こまったいぬのおばあちゃんは、さんにんのなかをなおそうと』  それは。  意識が少しずつ覚醒していく。  いったい……誰の声だったろうか。  夢から現実へと引き戻されていく。  夢から覚める間際。 『さんにんにひとつ、あることをたのみました』  不思議と、その話の続きが気になった……。
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