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平日の夕方、人もまだらなそこに制服の彼が行くと明らかに浮く。
好奇の目にさらされるのもお構いなしに、目的の場所へずんずん進む。
足を止めてその場へ立つと、ガラス張りの向こうには1枚の貼り紙が貼ってある。
『保存上の理由により、一時展示を見合わせています。』
「いつまで待ちゃ良いんだよ……」
すい、とあがった手をガラスに向かって伸ばす。
彼がいるこの場所は、美術館。
―――彼は、この時代の人間ではなかった。
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