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進化したこの時代では、不可逆である時間を『飛ぶ』ことが出来る。
値ははるが、その力を備えた装置が開発された。
体にチャージするらしいが、詳しい事は使ったことがないから分からない。
進化はしたが、しかし廃れたこの世界にい続ける事を選ぶ者は少なく、思い思いの時代に家族で『飛ぶ』者が多い。
そんな中、間宮家はそれをしなかった。
『俺はな、この世界が好きだ。なくなるんならそれで良い。逃げようとは思わん』
『でもあなた、死んじゃったら元も子もないわ』
『いや、死ぬならここでだ。バカな奴だと笑ってくれても構わん』
豪快に笑いながら、母とはこの問答を繰り返していた。
そんな父が、亡くなった―――
彼が長い間、探し求めた絵を。
そして、希望を。
俺は、独りで見にきた。
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