1章

2/6
前へ
/15ページ
次へ
「まーだ終わらねえのかよ」 「うっさいわねっ、功介と先行ってれば良いでしょ!」 「2人じゃキャッチボールしか出来ねえじゃん。俺は野球がしてーの」 「そんなに言うなら手伝ってくれても良いじゃん!」 時は夏、場所は放課後の教室。 からっと晴れた夏空の元、あいにくと掃除当番の真琴はせっせと教室を掃除している。 紺野 真琴――― ごくごく普通の、高校2年生のの女の子だ。 それにちょっかいを出すのは間宮 千昭。 日課は、毎日放課後にする野球だ。 野球と言っても部活じゃない。 真琴ともう1人の男友達と3人で行う、投げた打った捕ったの野球ごっこだ。 「大体ね、あたし今日は行かなきゃなんないとこがあるの」 「はあ?聞いてねーし」 「だって言ってないもん」 さらっと言い返す真琴にくってかかりながらも、この心地良い一時を2人は楽しんでいた。 .
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加