1章

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「あ、功介だ」 窓にちらっと映る階下の功介を見つけて真琴が呟くと、千昭は身を乗り出して彼を呼ぶ。 「なあ功介!真琴が野球出来ねーってよ!」 「おー、じゃあ俺も今日は図書館寄って帰るわ」 「はああああぁ?!何だよそれ!つまんねーじゃん!」 ぎゃおぎゃお吼える千昭を抑え、真琴も功介に話しかける。 「この馬鹿も図書館連れてってやったらー?たまには勉強させないと」 「真琴も人のこと言えねーだろ」 「うっさいわねー!」 津田 功介――― 彼もまた高校2年生の、普通の男の子だ。 実家は医者で、医学部志望の秀才だ。 この奇妙な3人の友情は、春に千昭が転校してきてから始まった。 .
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