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しかし、それが少女Aの取った最後の行動となった。
「刺客の割には甘いのね」
少女Bはそう言い放つと、両腕を振り上げた少女Aの懐に飛び込んだと思うと次の瞬間、少女Bの腕が少女Aの胴体を貫く。
血は出ないようだ。
少女Aはそのまま空気中の塵となって消えていった。
当面の危機はこれで消滅したか?
少女Bは少女Aが完全に消滅したのを確認し、こちらを振り返るが、そこにはもう俺の姿はなかった。
「何なんだよあれは。夢ならさっさと覚めてくれぇぇぇぇ」
少女Aが消え去った瞬間、俺は少女Bを新たな脅威だと思い、一目散に逃げ出していた。
「待って!」
死ぬような思いをしたのだ。
待てと言われて待てるはずがない。
一応、助けてくれた形になるが、少女Bがこちらの味方だとは確定していない。
「なにっ!」
少女Bは俺の目の前に突然現れた。
いや、瞬間移動とも言うべきだろう。
何もない空間から飛び出してきたのだから。
こうなると俺は完全に追い詰められたわけだ。
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