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逃げたところで相手は瞬間移動の使い手。
逃げられるはずがない。
ここに来て、とうとう俺は腰を抜かしてしまった。
「は、ははは。終わりか…」
その場に尻餅をつく。
それでもなお逃げようと体が動き、後退りする。
「大丈夫だから」
そういって少女Bは俺に近付いてくる。
「私はあなたの味方よ。だから安心して」
少女Bは俺に目線の高さを合わせるために屈んだ姿勢になる。
「…」
目が合った瞬間、俺はその瞳に吸い込まれそうになった。
恐怖が消え去り、何か懐かしさのようなものを感じた。
マインドコントロールなのか?
「あ、私、菊池雛子って言います。…えっと、確か会うのは初めてじゃなかったと思うんだけど…」
俺にはエイリアンの知り合いなんていないはずだ。
菊池雛子なんて名乗っているが、本当は※♯☆□◇♪とかとても発音できないような名前に違いない。
「知るわけないじゃないか。俺にエイリアンの知り合いなんていない!」
「む!」
やばい、怒らせたか?少女Bの顔が少し険しくなる。
「いきなりあんなところ見せられたんじゃ当然かな…」
「もうどうにでもしてくれ。腰が抜けて逃げられないんじゃ抵抗もできない」
「う~ん、とりあえず、眠っちゃっててください」
バシリッ!
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