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とにかく、早く話題を変えなければそのうちメッキが剥がれてしまう。
「い、今何時?」
「え?…七時だよ」
「そっか。けっこう長い時間倒れてたんだな」
あの少女に気絶させられて約一時間といったところか。
この間、誰も通らないほど人気の少ない道に入り込んでいたのか。
「でも、なんでこんな人気のない道を通ってるんだ?いつもは駅までまっすぐだろ?」
「うん。何でだろ?…ここに来ないといけないような気がしてさ」
「そっか」
そっか、で済まされることか?と自問しつつ、思い出したくない記憶を封印するかのごとく何気ない会話をしながら家に帰ることにする。
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