★2

7/19
126人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
「それだけど、告白して振られたばかりだって言ってたよ?」 「え? 告白したんだ?」 「そうらしいよ?」 「ふぅん? 勇気あるね、彼」 「雪兎は麻生に告白しないの?」 「彼は女の子と付き合いたいみたいだからね?」 「でも、伝えないとずっと辛くない?」 「それもそうだね」 雪兎はそう言い返すと、教室の窓から外の風景を見つめていた。 ホームルームの時間になり、可憐達のクラスでは担任の神楽梓により夜城が紹介されていた。 「夜城くん、自己紹介して?」 「暁夜城っす。 特技はバスケと料理、宜しくな」 夜城が簡潔に自己紹介すると、女子は黄色い声援を送っていた。 勿論男子は、夜城がイケメンな為項垂れていた。 「みんな、仲良くしてあげてねぇー 1限目からの授業しっかりね」 梓がそう告げると、皆移動を開始したので可憐達も移動する準備を始めた。 「可憐、1限目なんだったけ?」 「今日は音楽でピアノやるって言ってなかったかな?」 「あー、そうだったな」 流はそう告げると、音楽の教科書とノートを机から出していた。 「夜城、行かないのか?」 「あぁ。 今行く…?!」 「「「夜城くん、一緒に行きましょう!!」」」 「えっと… あ、か、可憐くん?!」 「…おモテになって良かったね?」 「な、ちがっ?! ちょっと離せ…わっ?!」 夜城は女子生徒に拉致られて音楽室まで揉みくちゃにされていた。 「可憐、行こうぜ?」 「あ、あぁ。 武蔵何してんの? 行かないの?」 「なぁ? 安達先輩って女だったりする?」 「ん、何で?」 「嫌、良く見たら可愛い顔してるし… 身長も小さめだよな?」 「武蔵、気になってるの?」 「んー 何かちょっとな?」 「ふぅん? 好きならそれはそれで良いんじゃない?」 「うむ、でも… まだ気になってきてるって段階だな」 「なら、その気持ちが何かをハッキリさせたらいいじゃん? 時間はあるんだから」 「そうだな?」 「安達先輩が女かどうかも本人に聞いた方がいい」 「うん、そうするとしよう」 武蔵はお昼に真尋に確認しようと決意すると、音楽室まで向かった。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!