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放課後、流と武蔵が一緒に帰りたいらしいから帰ってやることにした。 「可憐? 今日、うちに泊まりに来ね?」 「なんで?」 「そりゃ、遊びに来て欲しいからだ」 「あー、悪い。 今日はちょっと無理だわ」 「んじゃ、武蔵来る?」 「俺をどうする気だ」 「何もしねーよ、馬鹿! 普通に遊ぶだけだ」 「流、明日なら空いてっけど? 武蔵も明日泊まらないか?」 「ま、マジ?! 可憐の手料理とか期待していい?」 「何食べたいんだ?」 「グラタン!」 「わかった。 材料買っておいてくれ」 「了解!」 流は今から明日が楽しみなのか、スキップして帰り道を進んでいた。 「流って可憐好きだな」 「あ、あぁ。 幼馴染みだからな」 「可憐は、俺と付き合ってくんないしなぁ…」 「そ、それは仕方ないだろ? 俺は普通に女がいいし」 「他の男好きになったりしてな」 「ない。 それは絶対」 「確かに可憐に限ってそれはないな」 「そうだ」 可憐がフッと微笑みそう否定していると、流が楽しげにこんな事を言ってきた。 「可憐? 亜子も連れて来ていい?」 「あぁ。 別にいいけど、それなら千華も誘っとく」 「千華っちかぁー亜子と仲良いのか?」 「あの二人も幼馴染みだろ?」 「んー、そうだったんだな」 「流、亜子に悪い事教えんなよ?」 「な、何をだ?」 「付き合ってるからって、まだ早いからな」 「分かってるよ? 俺、亜子大事だし」 「なら、いいけど…」 「んじゃ、俺はこっちだから」 「おー じゃーな」 「俺もこっちだから、またな?」 「じゃーな、武蔵」 可憐は二人と分かれると、姉の麻生 詩に確認の電話をする事にした。 だが、中々応答がないので少し歩きながら時間を空けてみることにした。 (詩姉、何してんだろ? 風呂とかかな) 「ねぇ? そこの可愛い君!」 (もっかい掛けてみよう!) 「おーい? 聞いてるかぁー」 可憐は何となく呼ばれた気がして後ろを振り返ると、イケメンがフッと微笑み近づいてきていた。
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