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「あんた、誰?」
「可愛い子が居たから、ナンパして」
「他当たれ」
可憐が軽くイラッとした顔でそう告げると、イケメンはフッと微笑みこんな事を言ってきた。
「君、可愛いしカッコいいな」
「喧嘩売ってんの?」
「そんな事ないよ。
只、君がイメージにピッタリだから誘いたいだけだ」
「イメージって、何の?」
可憐がそんな風に聞いていると、着信が鳴り姉からの電話だと分かり出てみる。
(もしもし、詩姉さん?)
(可憐!
どしたの?
何か事件に巻き込まれたの?!)
(んな訳ないでしょ?
今日呼び出したのは詩姉さんだろ)
(あ!!
スッカリ忘れちゃってたー)
(俺、マンションまで行こっか?)
(助かるわぁー
可憐に紹介したい人居るんだ♪)
(紹介したい人?
もしかして彼氏?)
(それはまだ内緒よ?)
(そう。
つーか、今から行くから待っててくれよ?)
(はーい♪)
詩は元気よくそう言うと、電話を勝手に切ったのだった。
「今の詩?」
「え?」
「君、麻生 詩の弟くん?」
「詩姉さんを知ってるのか、アンタ」
「詩とは毎日顔会わせるしね?」
「アンタ、詩姉の何なんだ?」
「俺はそこの執事喫茶店の店長任されてる者だよ。
暁 夜城って言うんだ」
「ふぅん?
詩姉の彼氏とかじゃないんだな」
「君が可憐くんねぇー
思った通り可愛いな」
「アンタの発言一々腹立つんだけど、殴っていい?」
「殴るの?
俺、一応顔が資本なんだけどなぁー」
「俺、これから用事あるから」
「あ!
待ってよ、可憐くん」
「は?」
「名刺渡しておくから、気が向いたら来てね?
俺、待ってるから」
「え、要らない…」
「じゃーね、可憐」
「勝手に呼び捨てすんな!」
可憐がそう怒鳴っていても、夜城は笑って走り去っていくだけだった。
「あら、可憐?
早かったわね」
「詩姉?
暁 夜城って奴知ってるよね」
「え?
もう会っちゃったの?!」
「来る途中に捕まったから」
可憐が嫌そうにそう告げると、詩はフッと微笑みこんな事を言ってきた。
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