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「可憐、執事喫茶でバイトしてみない?」
「な、何で?」
「私もそこでパティシエとして働いているの。
だから、可憐もどうかなって」
「詩姉さん、パティシエだったの?
初耳なんだけど…」
「ふふっ
女に秘密は憑き物よ?」
「あっそ?
でも、俺は興味ないから引き受けないよ」
「可憐なら、執事でもメイドでも似合うと思うけどなぁ♪」
「メイドなんて、詩姉さんがやった方が可愛いよ」
「ふふっ
それはどうかしら」
「兎に角、引き受けないからね?」
「可憐が嫌なら仕方ないわね?
流くんや武蔵くんでも誘っとくとするわ」
「ちょっと!
何で二人を巻き込まないと行けないんだよ?!」
「だって、二人イケメンだし人気出るだろうし…
夜城困ってるし」
「だからって、親友をそんな所に行かせられないだろ!」
「じゃあ、可憐手伝ってくれる?」
「だから、嫌だって?」
「可憐、お願い!」
「何でそこまですんだよ?」
「従業員不足なのよ!
お願いだから、力を貸して」
「うーん?
じゃあ、流と武蔵も一緒ならいーよ」
「本当?!」
「仕方ないから、従業員見つかるまでね?」
「ありがとー可憐!
やっぱり可愛いわ」
詩はそう告げると、可憐に思いっきり抱きつくのだから可憐は死にそうになっていた。
「詩姉さん、苦しい!
胸あんだから」
「うふっ
嬉しいくせに♪」
「いーから、離れてよ?
ご飯抜きにしちゃうよ?」
「やだ!
可憐の手料理好き!」
「なら、分かるよね?」
「むぅぅ…
可憐、ドSだわ」
詩はそう告げると残念そうに可憐から身を離したが、突如チャイムが鳴り響いた。
「あら?
お客さんかしら」
「俺、料理作ってるから」
「じゃあ、出てくるわね?」
詩はフッと微笑むと玄関へと向かったが、そこには夜城が笑顔で待ち受けていた。
「どうしたの、夜城?」
「可憐くん、居るでしょ?」
「あ、うん?
今料理作ってくれてるけど?」
「俺も食べたい、それ」
「夜城、もしかして…
可憐に気があるの?」
「…どうだと思う?」
「ふふっ
まあ、別に好きならいいわよ私はね?」
「お邪魔するよ?」
「どうぞ?」
詩は夜城を普通に家に上げると、リビングへと案内した。
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