☆1

17/20
前へ
/79ページ
次へ
「コーヒー飲むでしょ?」 「ありがとう? 戴くよ」 「砂糖は?」 「ブラックでいいよ」 「苦いの好きなんだ?」 「うん、好きだよ」 「ふぅん? そっか」 可憐は納得した感じでそう告げると、自分用のコーヒーには砂糖とミルクを入れていた。 「可憐くんは甘党だね?」 「苦いの苦手だから」 「可愛いな、お前」 「へっ?」 可憐がビックリして夜城の顔を見上げると、顔が近づいてきて唇が接近してきた。 「ちょ?! な、何考えてんの!」 「キスしようかと?」 「な、何言ってんだよ! 俺は男だぞ?!」 「分かってるよ? でも、可憐くん俺にときめいてるでしょ?」 「はっ?!」 「詩と仲良くしてると妬いてたよね、アレ」 「な、何勘違いしてんの?!」 「動揺してるのバレバレだよ、可憐」 「な、何呼び捨てしてんだよ!」 「じゃあ、可憐ちゃん」 「女じゃない!」 「なら、呼び捨てでいいだろ? 俺も夜城でいいからさ」 「…な、何でそんな事」 「可憐、好きな子居るの?」 「えっ?」 「居ないなら、可憐俺のにならない?」 「は?」 「ダメ?」 「…常識的にそれどうなの?」 「俺は男だ女だ関係ないと思うよ? 好きならそれが正解だよ」 「…好きなの?」 「気に入ってるんだよね、会った瞬間から」 「…ふぅん? アンタ、変わり者って言われない?」 「言われ過ぎて慣れたよ」 「…慣れるなよ」 「ねぇ? 可憐って、猫好きなの?」 「へっ?」 「ほら、キーホルダー」 「あ、あれは… 幼馴染みが昔くれた奴で記念品みたいな物だよ」 「ふぅん? 物を大切に出来るのって可憐の優しさからだろうね」 「…何なの、アンタ」 可憐が訝しげな顔をして夜城を睨んでいると、夜城はフッと微笑むとこう切り出した。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加