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「可憐、送ってくから帰ろっか」 「は?」 「詩も寝ちゃったし、用事は済んだだろ?」 「まあ、そうだけど…」 「フッ 警戒しなくてもすぐに捕って食ったりしないよ」 「なっ?!」 「詩を寝室に運ぶから、ちょっと待ってて」 夜城はフッと微笑むと、詩を軽々抱えると寝室に運びに向かってしまった。 『なんか、慣れてるな? マジで彼氏じゃない訳?!』 可憐がムッとした顔でそんな事を考えていると、夜城はフッと微笑むといつの間にか目の前に立っていた。 「うわっ?!」 「何、それ?」 「ビックリしただけだよ」 「ふぅん? にしては豪快だったけどな」 「いきなり居たらビックリするもんだろ」 「まあ、そうだけど… 可憐は恋したことないの?」 「…!」 「図星みたいだな」 「何か悪いの?」 「悪くないよ? 純粋って事だもんな」 「えっ?」 「やっぱ可憐に興味あるな、俺」 「えっと、それ困るけど?」 「俺、嫌い?」 「…嫌いとは言ってないけど」 「じゃあ、好き?」 「嫌、それはちょっと違う気も…」 「じゃあ、試しに付き合ってみない?」 「えっ?」 「ダメ?」 「…そんな子犬みたいな顔で言われても困るけど?」 「可憐は釣れない猫だな」 「愛想ないって言いたいんだな、アンタ」 「可愛いけどな」 「可愛いってNGワードなんだけど?」 「でも、可憐は可愛すぎなんだけど?」 夜城はフッと微笑むと、また接近してきては可憐の髪を撫でてくる。
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