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「ふむ? チョコレートを使った料理なら何でもいいんだな」 「流の得意分野を活かせるな」 「可憐もじゃないか」 「んじゃ、ガトーショコラにしようかな」 可憐の班はガトーショコラとチョコブラウニーの2種類に分かれて作ることになった。 「板チョコと卵を使ったガトーショコラにするから、まずは卵の黄身と白身を分けて…」 「チョコレート溶かしてから黄身を混ぜるっと… 白身は3つ分を掻き混ぜて生クリームを作るんだな」 「武蔵も中々手際いいじゃん? 料理得意だったっけ?」 「嫌? やったことがないのだが、指示をくれたら出来る」 「なるほど、後はこれを型に流し込んでオーブンで焼くだけだな」 「もう完成すんじゃん? 流石可憐だなぁー まあ、チョコブラウニーも後は焼くだけだけどな」 「流も不器用そうだが、料理男子だったとはな?」 「武蔵も不器用だけど、ちゃんと出来たじゃないか?」 「ふむ。 料理は実験に似ていて面白いな」 「確かにそうかもなぁー」 流がそう返していると、夜城の班では勿論奴自身が注目の的になっていた。 「あーあ。 夜城の奴また虜にしてるじゃんな? 自分で女子を引き付けてどうすんだかな」 「…。」 「可憐、どうした?」 「嫌、何もないけど? つーか使った道具とか洗うわ」 「? あぁ、なら俺も手伝う」 「サンキュ」 流は可憐の様子を可笑しく思ったが、何となく検討が付いてしまった。 「なぁ、可憐?」 「んー」 「お前、夜城に惚れてない?」 「…?!」 「凄い顔だけど、どうした?」 「へ、変な事言うからだ」 「ふぅん? 別に恋は自由なのになぁー」 「お前は亜子の事だけ考えればいいんだよ、バカ」 「それは勿論」 流は隣で可憐がスポンジで洗った道具を洗い流しながらそう告げた。 各班は様々なチョコレートを使った料理を作って授業は終了となった。 「では、出来上がったお菓子は持って帰って下さいねぇー」 美咲はそれだけ皆に伝えると、家庭科室から去っていった。
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