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それから、3、4限目は体育でマラソンの走り込みの練習と道具を使った運動が行われた。 「はぁー 走り込みキツイけど、可憐体力あるの凄いなぁー」 「体力だけじゃなく、可憐は武道も強いからな」 「嫌、体育会系のお前らには負けるけど?」 「可憐、やっぱ嫁にしたい!」 「痛いとこ蹴られたいなら、どうぞ?」 「うぬ… 選択肢は一つしかないな」 「嫌々? それじゃ、選択肢って言葉自体が意味無しじゃん?」 「それでも可憐に蹴られるのも捨て切れない」 武蔵と流が阿呆らしいやり取りをしている内に可憐は着替えに向かってしまった。 「可憐くんも着替え?」 「汗掻いたしな? 夜城もだろ」 「んー まあ、そうだな」 「? どうかした?」 「昼、二人で食べない?」 「彼奴等が後で煩いよ? それの始末付けてくれるなら良いけど?」 「うん、任せてよ」 夜城は嬉しそうに微笑むと、可憐的にはやっぱりトキめいているのかドキドキしていた。 「んじゃ、中庭にする?」 「あぁ、そうだな」 可憐と夜城は二人で中庭へと移動すると、丁度日陰になっていて暑さを凌いでくれそうだ。 「可憐くん? お弁当ありがとうね」 「あぁ、まあ… 猫のお礼だから」 「いただきます!」 「うん、どうぞ?」 可憐が何となく気恥ずかしい感じでそう告げると、夜城はフッと嬉しそうに微笑む。 「うん! やっぱり可憐くんを嫁候補に欲しい!」 「嫁って…」 「奥さんだよ? わかんなかった?」 「嫌、男なんだけど?」 「料理上手な可憐くん好きだなぁー」 「あ、そうだった! これ欲しいならやる」 「あー ガトーショコラだね! 美味しそうに焼けてるね」 「夜城は何作ってたんだ? 女子達虜にしてたけど…」 「あー クッキーだよ? チョコクッキー」 「ふぅん?」 「一番に食べさせたいのは可憐くんだけなんだけどね?」 「え? くれんのか?」 「可憐くん甘党だから甘い奴にしといたよ? 他のはビターなんだ」 「ん、そっか? ありがとう」 可憐は夜城の言葉に素直にそう気付いたら返していたが、夜城は真顔になる。
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