★2

12/19

126人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
「や、しろ?」 「可憐くん、素直なの珍しいじゃん? どうしたの? いつもならツンって感じで返すのに」 「…!」 「まあ、可愛かったけどね?」 「男に可愛いはやめろ」 「…かわ…ふぶっ?!」 「煩いからだ」 ガトーショコラを口に突っ込まれた夜城はフッと可笑しそうに笑うと大人しく食べていた。 「…。」 「可憐くん、喫茶店にはいつから来てくれる?」 「とりあえず、明日からとかはダメ?」 「嫌、良いけど? 何か用事でもあんの?」 「あー 流の家でグラタン作る約束しててな? まあ、武蔵も来ると思うけど…」 「泊まり?」 「んー そうなるかな」 「ふぅん」 「どうした?」 「嫌、幼馴染み羨ましいな」 「お前も来る? 多分流の彼女も来るし、俺も幼馴染み連れて行くし」 「お泊り会だね? 楽しそうだ」 「うん」 可憐はフッと微笑むと、夜城的には抱きつきたいが何とか抑えていた。 その頃、図書室に居た千華は雪斗と二人で昼食を食べている所だった。 「千華ちゃんは、可憐くんとは幼馴染みなの?」 「あ、はいっ 流先輩もそうです」 「そうなんだね? 可憐くんはどんな子だったか聞いてもいいかな?」 「そうですね? 小さい頃から流先輩と弱いもの虐めをする子達から助けてましたね?」 「ふぅん? 勇ましかったんだね」 「可憐くん、あれでも武道も習ってるので強いんですよね」 「千華ちゃんは好きじゃないのかな?」 「私は、別にそんな風には見てなかったです」 「そう? 僕は可憐くんが好きなんだけどどう思う?」 「恋するのは自由ですから」 「千華ちゃんは恋人は居ないの?」 「あっ、はい」 「ふぅん? 可愛いのに勿体ないね」 雪斗はフッとやんわり微笑むと、千華は顔を赤らめて照れていた。 「あの…」 「何かな?」 「雪斗先輩の事好きでいていいですか?」 「え?」 「ダメですか?」 千華は勇気を振り絞ってそう伝えてみたが、雪斗は真顔になるとんーっと考えていた。 「千華ちゃんさ?」 「?」 「俺の事相当好きなのかな?」 「…! はいっ 雪斗先輩の事は入学してからずっと好きです」 「じゃあ、僕もケジメ付けないといけないね」 雪斗はまたやんわり微笑むと、千華は真っ赤な顔のままだった。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加