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「可憐くんに告白するよ」 「はい… えっと、待ってていいんですよね?」 「うん、そうだね」 「じゃあ、お待ちしてます」 千華はニッコリ微笑むと、雪斗はフッと笑ったが告白を決めて緊張していた。 その頃の武蔵と真尋は約束通りにピアノ室で昼食を食べていた。 「…あの?」 「どうしたの、武蔵くん?」 「真尋先輩って女の子ですか?」 「直球だね、君は?」 「これが俺流という奴だから」 「ふふっ 武士みたい」 「言わないなら、意地悪していいっすか?」 「?!」 「これ、意地悪ですから」 「…何でわかったの?」 「受け止めた際に華奢だったし、胸あったし、よく見たら可愛い顔してますから」 「…エッチだね、君」 「ストレートなだけだと思うんだけど? 真尋先輩って何で男装始めたの?」 「それは、武蔵くんに近づくため」 「え?」 「武蔵くん、麻生には振られたんだよね? なら…」 「…俺も気になってたんだ」 「へ?」 「受け止めた時から、真尋先輩が気になってた」 「本当?」 「可憐に振られたばっかで信用ないかもしれないけど、ちゃんと向き合いたいっす」 「…嬉しい」 真尋はそう告げると、嬉し過ぎたのか涙が出てきた。 「あ、あれ?!」 「…!」 「ごめんね、泣いちゃって…」 「ごめん、先輩… やだったら蹴飛ばして」 「へ? ?!」 真尋は呆気に取られていると、武蔵の腕の中にすっぽり収まってしまっていた。 「蹴飛ばさないの?」 「何で好きな人を蹴飛ばさないとなの?」 「嫌かなって…」 「嫌じゃない! 嬉しい」 真尋はギュッとしがみつくが、武蔵はボソッとこう告げた。 「やっぱり胸あるっすね」 「む、武蔵くん?!」 「あ、すいません」 「もぉー ストレート過ぎだよ」 「真尋先輩… ちゃんと女子に戻ってくれる?」 「ふふっ じゃあ、男装は今日までだね」 「まあ、可愛い先輩を他の野獣に見せないでいいなら男装でもいいかな」 「…! フハハッ…武蔵くんウケる」 「真尋先輩、顔拭いていい?」 「あっ… ハンカチ…ふ?!」 「舐めた方が早いっすね」 「…! だ、ダメだよもぅ!」 「でも、嬉しいんでしょ?」 「…!」 「あっ… ハンドタオルならあるっす」 「う、うん」 真尋は武蔵に目元を優しく拭いて貰うと、フッとニッコリ笑っていた。
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