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それから放課後、6人で流宅に泊まるべく下校しながらこんな話をしていた。 「え? 今、なんて千華ちゃん?」 「あ、うん? お昼にね、雪斗先輩に告白したの」 「んで、先輩は何て?」 「好きな人に告白してケジメ付けるから待ってて欲しいって…」 「そうなんだ?」 「うん、そうなった」 「良かったじゃん、千華」 「うんっ 勇気出して告白して良かった」 千華は嬉しそうにそう告げると、亜子も可憐同様にニッコリ隣で笑っていた。 「亜子、こっち来て」 「流?」 「手繋ぎたい」 「仕方ないなぁー」 亜子と流は少し後ろに行くと、ラブラブしだしたので可憐は武蔵の様子を気にする。 「武蔵、お前さ? 何その変な顔」 「ムッ… 変とは侵害だぞ、可憐」 「だってさ? さっきっから、ニヤけたり複雑な表情したりしてっからだろ?」 「えっと… 俺、真尋先輩と向き合うことにした」 「ん? 真尋先輩って…」 「男装してるだけだったから」 「武蔵、真尋先輩好きだったのか?」 「気になりだしたのは今朝なんだ」 「ふぅん? 何か台風が過ぎ去った後みたいだな」 「失恋は台風だったのか、武蔵?」 「夜城はモテるだろ? 何で可憐なんだ? まあ、分からなくはないが…」 「可憐くん、料理上手だし… それにちょっとツンデレなトコも可愛いだけだし! 何か、総じて好きなんかも」 「ほう? 本人横に居るのによく言えたな」 「…!」 「あ! 可憐くん、何で走るの!」 「つ、着いてくるな!」 「と、言われても… 目的地は同じなんだよ?」 「ぬっ…」 可憐はそれを聞くと逃げる気が失せたのか立ち止まる。 「逃げなくてもいいでしょ? 照れたの?」 「夜城、お前今日は喫茶店休みなのか?」 「今日はお休みっつーか… 人手足りないからまだ開店してないんだよ?」 「あ、そっか… だからバイト探してるんだったな」 「武蔵くんはオッケーくれたけど、流くんはまだだしね?」 「流は彼女居るからダメだな」 「うーん? まあ、可憐くんも居るし回せるかな」 「?」 何故自分が居ると店が回るのか分からない可憐だったが、後に明らかになる。
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