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「可憐くん、今日は優しい」 「そんな事ないけど?」 「つーかね? やっぱり可憐が好きだよ」 「…うん」 「今日は借りてきた猫だな」 「…。」 可憐は気が付くと夜城の頭をポンポン撫でていた。 「か、可憐くん?」 「…うん?」 可憐は自分が無意識に夜城の頭を撫でている事に気付くと飛び退いた。 「ごめん… 何してんだかな」 「可憐くんさ? やっぱり俺好きじゃない?」 「…うん、そうかも」 「…! えっと、そうなの?」 「えっ?! あ、違う…嫌…えっと」 「可憐くん、おいで?」 「ペットじゃねーぞ?」 「わかったから、早く」 可憐は恥ずかしそうに夜城に近づくと、夜城はフッと微笑むと抱きしめてくる。 「今日は素直」 「…!」 「可憐くん、試しに俺ら付き合ってみない?」 「変な事したら即やめる」 「はいはい、わかったから」 「…! 何?」 「んー 匂い嗅いだだけ」 「…! 何勝手な事してんだ」 「可憐くん、匂いなくなった」 「え?」 「甘い匂いしなくなった」 「えっと、それって?」 「フッ やっぱり惚れた?」 「…知らん」 「えぇー こんだけ期待させといて?!」 「ほら、戻るぞ」 「可憐くん、好き」 「…!」 「フッ その顔で満足」 夜城はニッコリ微笑むと、やはり可憐はその顔に弱いのか参っていた。 「可憐くん? 今日はやっぱり家来ない?」 「え? 泊まるんじゃないのか」 「可憐くんと二人っきりに…」 「却下! 変な事する気満々じゃないか」 「別にしないから」 「んー なら、仕方ないか」 「いいの?!」 「けど、お前の家じゃなくて…」 「可憐くん宅行きたい!」 「んー 本当に変な事なしだからな」 「わかった!」 可憐はハァーっと溜息を吐くと、夕飯時にその事を伝える事になった。 「「「か、帰るの?!」」」 「あー、うん? ほら、猫居るしさ」 「そっかぁー 可憐くん猫飼ってたよね」 「うん、可愛いよね」 「それじゃ、仕方あるまい」 亜子、千華、武蔵が順にそう告げるが、流は分かっていたのかフッと微笑むだけだ。
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