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「ごめんな、流」
「嫌?
俺は別にいいけど…」
「亜子と仲良くな」
「…!」
「そういう事なら俺も帰る」
「私もカップルの邪魔したくないし?
最初っから夕飯目当てだったし」
「えっ?
千華ちゃん、どういう事?!」
「ふふっ
流先輩と仲良くね、亜子」
「え?!」
亜子がそんな風にビックリしていると、流がこんな事を言ってくる。
「亜子も帰る?
帰るなら、送るけど…」
「…!」
「やっぱりいきなり泊まりはダメだよな、普通」
「わ、わかった!
泊まる」
「…!」
「「邪魔者は退散退散♪」」
千華と武蔵は息ぴったりにそう告げると、先に帰っていってしまった。
「あから様だな彼奴等は」
「可憐はまだ居るだろ?」
「うん?
コーヒー飲んだら帰る」
「ミルクたっぷりの奴な」
「流石幼馴染み」
「よく知ってるっしょ?」
「亜子は?」
「あ…
ココア、自分でするよ?」
「うん?
じゃあ…」
「「やっぱり帰る」」
「「えっ?!」」
「二人っきりになってラブラブしてろ」
「か、可憐!
なんてことを?!」
「んじゃ、帰るなぁー」
「お邪魔しました!
流くん、頑張って」
夜城がそんな声を掛けて去っていくと、流と亜子は顔を見合わせて真っ赤になった。
「亜子、ココアだったな」
「うん?
流は何にする?」
「…あのさ?
本当に泊まる?」
「え?
泊まっちゃ不味いの?」
「嫌、えっとー
亜子に手出ししないためなんだけど、分かる?」
「…!」
「あいつら、本当変なプレッシャーを…」
「ごめんなさい!
私、只一緒に居たいから泊まるなんて言っちゃって…」
「…はぁー
亜子、可愛い」
「へ?」
亜子が間抜けな顔をしていると、流はフッと笑うと抱きしめてくる。
「流?」
「亜子、好き」
「うん、私もだよ?」
「…!
あーダメだ!
やっぱり離れとく」
「じゃあ、私からくっつく!」
「え?!」
「やなの?」
「…!
だから、ダメなんだよぉー
亜子小悪魔過ぎ」
「フッ」
「あっ!
今笑ったな」
「流、キスしないの?」
「?!」
流が亜子の誘惑にタジタジになっている頃、可憐はコーヒーを淹れている所だった。
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