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「ねぇ、可憐くん?」 「んー 今、淹れてるから待ってよ?」 「この子名前は?」 「名前…」 「え? もしかして無いの?」 「アリス」 「え?」 「女の子だから、アリス」 「ふぅん? 可愛い名前だなぁー」 夜城はそう告げると、アリスを抱きかかえるとカレン同様にキスした。 「やめろ、それ」 「嫉妬かな?」 「嫌、癖になるからダメ」 「ふぅん? アリスは大歓迎みたいだけどな?」 「だぁーめ」 「みゃー」 可憐は呆れながら夜城を睨んでいると、何故か近づいてくる。 「何?」 「可憐くん、ギュッってしたい」 「は?」 「ダメ?」 「嫌、それは…」 「ふぅん? やなんだ?」 「…! 何だよ、その顔」 「嫌? 可愛い照れ隠しだなって見てるんじゃん?」 「見なくていいから、コーヒー飲んだら?」 「可憐くん、隣座って」 「何なのさっきから?」 「甘えてみてるんだけど?」 「ベタベタすんのやだ」 「えぇー そんな風に言わなくてもいいじゃん?」 「拗ねるならコーヒー飲んだら帰ってもらう」 「な、何と!」 「ほら、飲んでよ? せっかく淹れたんだから」 「うん、頂くよ」 夜城はやっと静かになると、コーヒーを一口飲むと微笑む。 「可憐くん、嫁決定」 「あっそ」 もう言い訳も面倒になった可憐はコーヒーを飲みながらアリスをあやしていた。 「可憐くん、俺…」 「あっ…」 「な、何?」 「アリスに餌あげてなかった」 「ビックリさせないでよ?」 「ほら、お食べ」 「みゃー」 アリスは余程お腹が空いていたのか、直様食べ終えてしまった。 「さて、寝床に…」 「可憐くん」 「何?」 「好き」 「もう、わかったって? 何回言ってるの?」 「うーん? 10回ぐらいしか言ってないよ?」 「ほら、風呂入ったら?」 「一緒に…」 「絶対嫌」 「ガーン」 夜城は余程残念そうにしていたが、大人しく風呂に入っていた。 (全く、人の気も知らないで! あんまり言われても言い返すのもハードル高いってのに…) 夜城が入浴タイムを満喫している中、可憐はソファーに寝転ぶと眠りに就いてしまったのだった…。
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