梅雨

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「は?少しは仲良くなろうとかって思わないわけ?」  イラッとしたオニイサンが、乱暴に言うと、感情が高ぶったアタシも、なおさらいらだった声で答えた。 蓋をしていたはずの不安とかも、どっかに飛んでいって、ああ駄目だって分かっているのに、それでも、言わずには入れなかった。 「なんで仲良くしなくちゃいけないわけ?突然一緒に住み始めた人に、成績のことまでとやかく言われたくないわ。さっさと出て行ってよ!!」  叩きつけるように叫んだアタシに、オニイサンは舌打ちをすると、乱暴にドアを閉めて出て行った。
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