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「まぁ、夏休みくらい好きにすごしなさいよ。
来年は受験でしょう？今年くらい、うちでゆっくり過ごしたらいいわ」
洗面台からざばざばと水音を立てながら、マリサンがくぐもった声でいう。
「受験ね･･･。」
いまいちピンとこないあたしは、曖昧な返事を返した。
「もうすぐ、リュウやワタルも帰ってくるから、勉強見てもらったら？
ユキも補講が終った八月から顔だすっていっていたし。」
久しぶりに出た懐かしい名前に、あたしは顔がほころんだ。
「あ、リュウとワタル、帰ってくるんだ」
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