花火とマニキュア

アスカさん

　今日のメニューは、ブランチにはふさわしいサンドイッチで、好きな具を好きなだけパンにのせて食べる、マリさん式のサンドイッチだ。
だから簡単だけどその分、具は多めで、ツナだとか、トマトだとか、ゆで卵だとかが、どんどん作られてお皿に乗せられていく。

「ほら、ちゃんと野菜も食べないと、美容に悪いわよ？」
「マリさんこそ、ちょっと食べすぎなんじゃない？食べすぎも、あんまり良くないよ？」
「大人なんだから、コレくらい食べないと身体が持たないの。ナツキこそ、少食すぎるわよ。まだまだこれから成長期だっていうのに。」

　久しぶりのマリさんとのご飯は、本当に久しぶりのにぎやかな食卓だった。

　アタシはサンドイッチ用のパンにバターを塗りながら、どれを乗せようか迷っていた。

　豪快にサンドイッチにかぶりつくマリさんをみて、アタシが居ないときも、マリさんはこうして一人でご飯を食べているんだろうかって思って、ちょっとだけ不思議な気持ちになった。