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ウィルダネス最南の館では。
神宮寺要VS樟蔭。
リクス・アルデリアVSサジ・ウェールス。
四人の壮絶な闘いが繰り広げられていた。
そして、ウィルダネス最南の館最上階。
最上階に上ったリオレスの目の前には個室が三つ見えた。
通路の両脇に二つ。
そして真正面に一つ。
リオレスは迷わず引き込まれるように真正面の扉に手をかけた。
ギィィィィィ。
木製の扉が開く音が静寂に鳴り響いた。
部屋は2Fの大広間に比べたら狭い。
しかし、部屋には物が何一つなかったため広く見えた。
部屋にあるのは、ただ一人の男だけ。
赤が目立つ軍服のような服が特徴的だ。
更に赤い髪に、魔族を象徴する赤い瞳。
全身赤はこれ以上ないと言わんばかりの赤一色だ。
「あなたで最後ですね」
リオレスは目の前の男に向かって言う。
「下の二人がやられたのならな」
赤の男は小さな笑みを浮かべながら歩み寄った。
「そうですか。それならあなたで最後ですよ」
リオレスは確信を持ったようにまっすぐ相手を見て言った。
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