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ウィルダネス最北の館。
3Fの部屋に蓮は立っていた。
下ではライザーやシャオリーたちの戦闘音が響いている。
「派手にやっているようだな」
蓮の前に立つ男が冷たい笑みを浮かべる。
長身に、黒髪、赤い瞳。
全員のほとんどが隠れている黒のコートをまとっている。
「手を抜ける相手でもないんでね」
蓮は数歩相手に近寄ってから言う。
「天海蓮、お前たち15代目神帝がここに来たのは何のためだ?
14代目の敵討ちか?」
「それは理由の一つだ。今の神帝は俺たちの時代。過去ばかり振り返られん。
俺たちはお前を危険人物と認識しただけだ、クロス・ハザード」
蓮は笑みを浮かべることなく、目の前の男クロス・ハザードに向かって言った。
そう、目の前の男こそが、魔界最強の三人の内の一人。
『雷刹』の異名を持つクロス・ハザードだ。
「くくく、なるほど。それで、どうする?」
「もちろん、お前をぶっ潰す」
「ふっ、しかし蓮」
と、言葉だけが聞こえ、一瞬クロスの姿が消えた。
「お前にできるか?」
一瞬の間にクロスは蓮の背後に回っていた。
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