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クロスは先ほどと同じように蓮の背後に回って手刀を繰り出した。
「それは見えてる!!」
蓮は振り返らずに紙一重でかわし、振り返り様に勢いの乗ったカウンターの拳をクロスに向けた。
「っ!」
しかし蓮はクロスの異様な魔力に寒気を感じ、縮地で一瞬にして距離を取った。
(な、なんだ…?今の?)
蓮の頬には汗が流れている。
「ほう、勘も働くようだな」
クロスは冷笑しながら言う。
「ますます残念だ。これだけの将来有望な少年を殺すことになろうとは」
クロスは片手で顔を抑え顔を左右に軽く振る。
「その割に、顔は笑ってるんじゃないか?」
蓮はただのカマかけのつもりだった。
しかし、クロスの表情には笑み以外なかった。
それも醜く綺麗な笑顔などではない。
「くく…くはは…はははははははは!!!!!」
天井に向かって大笑いするクロス。
その姿に、異常さを蓮は感じた。
「そうさ!!俺はただ殺し合いをしたい!!
ただ強き者と!!
俺の力は今どの位置にあるのか、それを知りたい!!」
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