もう、我慢なんて疲れたよ。

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「あ、悠也」  学校で今現在、俺が居候させてもらってる家の主――友人A、またの名を一馬と話していると、章人が俺に声をかけてきた。  珍しいこともあるもんだと、思って席を立ち、悠也の元へと近付いた。 「なに?」  久しぶりに章人を見た。まだ成長期が終わってないのか、また少しでかくなった気がする。中学の時は同じくらいだった身長も、高校に入って抜かされてしまった。 「とくに用は無いんだけどさ、お前今どこ居んの?」 「んー、一馬の家に居候させて貰ってる」  俺は、そう言って一馬を指さす。一馬は俺達の視線へ気が付くと、ニコリと微笑んだ。 「そっか……、今日は帰ってくる?」  章人は、ちらっと一馬の方を見ると、軽く舌打ちをし、また俺の方へと向けた。なんで舌打ちなんかしたのかな、なんて頭の隅で考えたけど、その答えは結構簡単に出てきた。  章人は一馬が嫌いなのだ。何故かは分からないが、少し前――章人が浮気しだす前に、下校中に一馬が嫌いだと言われた事があった。  まあ、その記憶も前のことで今思い出した所で、どうもしないのだが。 「どうしよ? どっちでも良いけど、章人はどっちが良い?」  
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