もう、我慢なんて疲れたよ。

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「ねぇ、あっくんは僕と悠ちゃんどっちが好き?」  玄関からリビングへと向かい、扉を開けた。リビングも玄関と同じように暗くて、誰も居ない。  はぁ、と小さく溜息をついて、章人を捜し初める。リビングに居ないとなると寝室だろうか?  寝室へと向かい、ドアノブへと手をかける。すると中から声が聞こえた。  声は、章人や俺みたいに低めの声じゃなく、声変わりもまだじゃないかと思うほど、男にしたら高い声だった。 「どっちだと思う?」  さっきの高い声から少し遅れて聞こえてきた章人の声。ああ、さっきの声の持ち主と、章人は一緒に居るんだ。  前は、その場所に俺が居たのに……  章人は俺との約束忘れちゃったのかな? 楽しみにしてた俺が、馬鹿みたい 「えー―、僕じゃないの? だって、悠ちゃんより僕と居る時間の方が多いじゃん」  もう、ここに居る必要はないだろう。ここに俺の居場所はない。  俺は、涙も拭かずに急ぎ足で外へと出た。  外は雨が降っていた。よくもまあ、こんな都合よく雨が降るもんなんだ……。  でも、まあ良いか。こんな気分の時は、雨の方が。  携帯を開くと、アドレス帳を出した。そこから章人の名前を見つけただけで、止まっていた涙が溢れだす。      消去しますか?   ――――はい。  
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