💠それでも君だけを愛してる💠

引きずる過去

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華は、夏織とつるむようになってグッと服のセンスが良くなった風香に憧れるようになっていた。

風香が最近着回しているJETのクラッシュジーンズやウエスタンブーツ、それにチェックのシャツ。

すべてが上級者向けコーディネートだ。

夏織とつるむことによって洗練されたファッションセンスを正直にカッコいいと思っている。

ヌーディーカラーのロングカーディガンの下に竜生のシャツを着て、ケミカル加工のショートデニムパンツに黒のタイツを合わせて穿いた華は、髪をアップにまとめて風香の部屋でくつろいでいた。

風香はまだバイトから帰ってきていない。

最近、夏織と風香がつるむようになってから、華と風香が会う機会がめっきり減ってしまった。

一緒にショッピングに行って、おそろいのアクセサリーを買ったりしたいのに、いつだって風香は夏織と一緒につるんでいる。

華は、仕事から帰ってこない風香を待ち切れずに部屋を出ようと立ち上がった。

すると、タイミング悪く春樹が帰ってきた。

「おぉ…。お前か…。」

「今帰るとこだから…。」

素っ気なく華が春樹を横切ると、春樹が慌てて華を引きとめた。

「待って。」

「何？」

華が冷たい口調で春樹を睨みつけると、春樹は気まずそうにぎこちなく華を見つめた。

黄金色の瞳に見つめられた華は、春樹の瞳のせいで動けなくなっていた。

春樹は、華を見て一言だけ呟いた。

「色々と悪かった…。」

春樹の口から、今になって謝罪の言葉が出たのと同時に、華は春樹の頬を思いっきり引っ叩いた。

それでも、こりずに春樹は華を真っ直ぐ見つめた。

「ごめん。傷つけるためにあんな事したんじゃないんだよ！本当に悪かった…。」

華は耐えきれずさらに春樹の頬を引っ叩いた。

それなのに、春樹は壊れたCDのように「ごめん。」を繰り返した。

「止めて！！！！！もうたくさん！！！！あんたなんかに出会わなきゃ良かった！！！！！」

華がそう言って泣き叫ぶのと同時に、タイミング悪く風香が帰ってきた。