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「…くっ…はは。……す、すまない。あんまりにもフェレの考えてる事がわかったもんだからつい…ははっ」
…つまり私の気持ちがあからさまに表情に出てたって事なんでしょ!!私自身自覚があるわ…とことん嘘付くのが下手なのよ…
「兎に角!!私は諦めないわ!弟子入り志願して…」
「やめた方がいいよ。あんな奴の所なんか」
私のポジティブ発言を一つの声が遮った。ビックリした私とアルはソチラの方向に顔を向けた。
そこには12、3歳?位で髪はアルと同じくらいの肩口程の長さで、薄茶色。目も同じ薄茶色をした子供が立っていた。
「…あんなやつ?李さんの事?」
会話内容からなんとなく李さんの事だと理解した私は確証の為に問いかけてみた。
「…そうだよあんなやつから魔法なんか習ったって上手くなんかならねぇよ!!ヤブなんだから!」
ちょっちょっと!?それは言い過ぎじゃないの!?色々調べたけど一番信頼の有りそうな魔法使いだったし…それにこの町、凄く豊かじゃない!結界も素晴らしい(ってアルが言ってた)し!!それをどうとってヤブなのよ…
「ちょっと!どういうことなの!?ヤブだなんて!」
「…それは…」
『葵(クイ)様!!』
子供が喋りかけた時だった。遠くから数人のおっさん達が此方目掛けて走って来るではないか!
こ、これは…
「ムサイ!!」
「え、フェレそこ?!」
いやっ余りの人数のオッサンだったからつい…
「ちぇっ…もう見つかったか…あんたらコッチ!ついてきな!!」
「「ぬわぁっ!!」」
子供はそう言うと私たちの手を掴み路地裏へと駆け出した。
あれ?ここ君の庭か何か?って言うほどに子供は路地裏をヒョイヒョイと走り抜け、後ろから追ってくるオッサン達を引き離し、あっという間に撒いてしまった。
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