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「はぁ…はぁ…もっなんなのよっ一体!」
子供に手を引っ張られ全力疾走させられた私はもう息も絶え絶え…疲れてその場に座り込んだ。
「…体力ないなぁフェレ」
と呆れた用に私を見下ろす子供…ってあれ?今この子私の名前呼んだ?
「あれ、なんであんた私の名前知ってるのよ」
「え、だってさっきこっちのお兄さんがあんたのことそう呼んでたからさ。違うの?」
う…なんだ…耳がいいわねこの子…名前呼ばれたのすら忘れてたわよ私は…
「…合ってるわよ。私はフェレ。こっちのお兄さんはアル。それでアンタは?」
「俺の名前はクイ。」
クイ君ね…やっとあの子やら子供やら表現しなくて済むわね…
「それで、なんでクイは逃げ回っているんだ?悪いやつらから逃げてるって感じじゃなかったよな?」
アルはクイを見つめなが問いかけてみた。クイの方も先に逃げ道を塞がれう゛っとたじろいたが、観念したのかハァと一息ついて話し出した。
「俺が追われてたのはコレを盗んだからさ。」
そういってポケットからひとつの鍵を出して見せた。鍵には細かな装飾が施され、ただならず鍵なのだと感じさせた。
「…なんの鍵なの…随分豪華だけど…」
「特別な鍵と言う感じだな」
私とアルはまじまじと鍵を見つめた。するとクイはそそくさと鍵をポケットにしまい直してしまった。もっ!とったりなんかしないわよ!てか、あんたそれ盗んだんでしょうが…
「この鍵はある薬草庫の鍵なんだ。色々な薬もその中に入っている。俺はその薬草庫のなかの薬が欲しいんだ。」
「薬草庫の薬?どういった薬なの?」
薬って言っても様々なものがある。傷や病気を治すもの。逆に爆発したりして怪我をさせるもの。はたまた体を小さくしたり大きくしたりできるものと多種多様にあるのだ。
「……それは言えない。」
そういってクイはソッポを向いてしまった。…なんかムカつくのよねいちいち…
「…盗んでまで欲しいって事はよっぽどの物なんだろう。クイ様?」
「!!っ」
「…李さんに頼んでもくれないから盗んだ。と…」
「李さん?!なんで今その名前が出てくるのよアル!」
すらすらと話すアルに私は目を白黒させた。
話が唐突過ぎて何が何やら!!貰えない?盗んだ?どういうことなのっ
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