君の温もり(ショートストーリー)

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「そんなこと言ってません。空耳です」 『言ったぞ?‘もう少しだけ、こうしてて’ってちゃんとゆりあが寂しそうに』 「言ってませんてば、それより学校はどうなさったのですか」 次に目覚めたときには私の身体はすっかり熱が引いていた、起き上がってキッチンに立つ葵に視線を移すと楽しげに眠る前のことを話し始め私は恥ずかしさからムキになって否定した。 それでも言った事実は消える筈もなく話を逸らす。 『んーとっくに終わってるかな。一日位サボったってどうってことねえし。李瑚からお前のこと聞いて授業聞いてられるほど俺は出来た人間じゃねえしね・・そんなことどうでもいいからとりあえずコレ食え』 葵の言葉は私の反論する余地を遮った、葵はキッチンから小さい土鍋と器、そして蓮華を運んできて私の目の前に差し出す。
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