君の温もり(ショートストーリー)

7/7

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
『ほーら、ゆりあちゃん、お口開けて。あーん』 「っ馬鹿・・あーん」 葵の押しの強さの前に抵抗するのもだんだん無理だと思いながら葵の言葉に続けるように言いながら口を開くと葵は蓮華を私の口内に入れおかゆを舌先に置いて蓮華を抜き取る。 『美味いだろ』 「・・美味しい。んもう後は自分で食べます」 おかゆを味わうように食べながら葵の手から蓮華を奪い取り食べだすと満足そうに笑いながら葵は私を見つめた。 『なぁ、キスしていい?』 「なっ、駄目。風邪が治るまで駄目」 『なんだよソレ、早く治せ、つうか今すぐ治せ』 「無理ですよ、諦めてください」 傍にいるべき誰かを見つけると一人になることが酷く寂しく感じたりする不安も悲しみも一人のときよりずっと強く感じてしまうけどそれでも与えられる 喜びも安心も一人で居る時よりずっとずっと大きな物に変わる。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加