波乱の入学式

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―体育館― 時雨「…」 体育館に着いた時雨は固まってしまっていた。 時雨(なんだか…皆さん綺麗な人ばかりです) 見渡す限り、綺麗な顔立ちをした者ばかり。時雨は圧倒されていた。 時雨(この中に私のような…無理です!) 時雨は体育館から一歩後ずさった。 ―――ゴッ 時雨「!?」 時雨の頭に何かが当たった。 確認する為に振り返ると… 呂布「…」 振り返るとそこには、背の高い男が立っていた。しかも、睨みつけられている。 時雨「…」 それよりも、時雨には気になる事があった。 時雨(あれは…触覚?) 男の頭から見えるもの。 それが気になって仕方がない。 時雨(何かに似ているような…?) 時雨が首を傾げながら考えていると… 呂布「おい」 男が時雨に声をかけてきた。 呂布「貴様、詫びの一言でも言ったらどうだ?」 時雨「…あ!すみませんでした!」 時雨は我に返り、頭を下げながら謝った。 呂布「…次からは気をつけろ」 男はそう言うと、時雨の横を通り過ぎていった。 時雨(何でしょう…何かに似ているような気がするのですが…) 遠ざかっていく男の背中を見ながら、時雨は考える。 時雨(触覚…触覚…あ!) 時雨は思い出し、そして叫んだ。 時雨「ゴキブリです!」 ―――ピシッ その瞬間、体育館の空気が張りつめたのが分かった。 時雨(あれ?私…何か不味い事を…?) 気がつくと、先ほどの男が前に立っていた。 呂布「貴様…今の言葉を俺に言ったのか?」 時雨「はい。触覚が似てると思ったので」 呂布「ほう…貴様、死にたいようだな」 時雨「え?」
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