第四章。

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いつも通り時間ピッタリの開店。 しかし開けたからといって直ぐに客が来るわけではない。週末とはいえ、客が入るまではまだ少し時間があるだろう。 充分使い慣れた包丁とまな板。 客が来るまでやることがないのはどこの店も同じだろう。取り出したそのまな板に、冷蔵庫から出した豚肉を置いた。 所詮下拵えというやつだ。 ポークチャップはこの店の看板メニューでもある。正直なところ俺の舌には合わないが…さすが看板メニューと言ったところだろうか。 肉を叩いて下味をつける。本来ならここで、小麦粉をまぶすのだが…。客は入ってない。当たり前だか注文もない。そこまでしては便宜を調えるのが逆に不具合が生じてしまう。下味をつけた豚肉はバットに戻し冷蔵庫へ。さて後は何が出来るか。腕組みをしたところで、ドアを開いた際になるベルの音が聞こえた。 どうやら客が入ったらしい。 .
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