第二章。

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目覚まし時計の音が1LDKの部屋に響き渡っている。ゆっくり目蓋を開けばカーテンの隙間から射し込む夕陽に照らされた薄明かるい天井が目に入った。 「っ…」 右手で目覚まし時計を黙らせてゆっくりと上体を起こす。静かな室内に絹すれの音が響いた。 フローリングに直接敷いてる布団では、起きた時に身体が強張っているのが難点だ。何度かベッドの購入も考えたが、無駄な物は必要ないとその度自分の中で却下している。 寝巻き代わりのジャージの裾を引き摺りながら狭くるしい洗面台へ向かった。冷たい水で顔を洗って、鏡に映った自分を見つめた。 「…今日も酷い顔だな?」 自嘲気味に笑った後で、部屋へ戻る。電機を点けた後で布団に胡座をかき、枕元に置いているノートを引き寄せた。 .
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