始まりの気配

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今、その地下の様子は消灯している為、全くわからない。 ただ微かに空調の音が、響いているだけである。 その静寂に近い空間を、走る足音が駆け抜ける。 その足音は、おそらくその組織のリーダーがいるであろう部屋で止まった。 伝令「失礼します!大佐!」 先程までの足音の主がドアを叩く。 大佐「何だ?どうした?」 先程大佐と呼ばれた男が答える。 伝令「はっはい!そ、それが・・・・」 つい言葉を濁す。 大佐「何がどうしたんだ?」 伝令「『ニードルワーカー』を積んだトラックが、運搬途中で事故に遭い『ニードルワーカー』が流出した可能性が高いとの報告が・・」 大佐「なんだと!!どのくらいの時間だ?」 つい怒鳴ってしまった大佐の声に伝令は、怯えた声で 伝令「約一時間前です。」 とだけ答える。 大佐「・・・・仕方ない。各方面に、計画を実行する様に伝えよ。」 しばらく思案した後、諦めたように命令を下す。 伝令「了解しました。それと・・・・」 大佐「まだなにかあるのか?」 また言葉を濁した伝令に、再度聞く 伝令「はい。外部と連絡をとろうとしていた、『ネズミ』を二匹拘束しました。」 大佐「分かった。俺も後から、尋問する。下がって良い。」 伝令「失礼しました。」 伝令は、敬礼をすると早足で去って行く。
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