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大会まで後一ヶ月まで迫っていた。
西条高校は毎年恒例の合宿に来ていた。
そこは、山に囲まれた場所にあり、各県の強豪校が集まってくる。
グラウンドでは選手達が汗を流しながら練習していた。
「集合!」
キャプテンである笹尾の声で監督の周りに集まった。
「明日、練習試合が決まった。相手は南陽高校だ。」
すると、選手達がざわつき始める。
しかし、沢にはどこの高校かわからなかった。
「元気、南陽高校ってどこの学校?」
沢がひそひそ声で元気に話かけた。
「あほっ!南陽って言ったら高校球児なら全員しっとるぞ!」
南陽高校は前年度の夏の甲子園の優勝チームである。言わずと知れた名門校である。
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