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南陽高校の攻撃1番芹沢。
左バッターボックスに立った。芹沢は高校野球では珍しいスイッチヒッター。
「久しぶりだな。松居。また、バッティング練習させて貰うよ。」
ニヤつきながら嫌味たっぷりで言った。
「……前見ろよ。」
「はぁ?」
パアーン!!
「ストライク!」
芹沢の顔つきが変わった。
「少しはやるようになったじゃん。」
芹沢は素振りを2、3回した。
素振りの音がビュンビュンと鋭い音が鳴り響いた。
(こっからだな。行くぞ笹尾!)
笹尾はコクっと頷くとサインを交換した。
第ニ球は左バッターの内側に食い込むカーブ。
芹沢はそれを見送りツーストライク。
続く第三球、遊び球なしに外角低めにコントロールされたストレート。
芹沢はその球を上手くレフト前に流しヒット。
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