地獄合宿

9/53
前へ
/395ページ
次へ
(あっ、あいつは!?関東シニアの宇田やないか!?) 宇田に対して初球、外角ボールゾーンに外れててボール。 宇田はピクリとも動かず見逃した。 「球速いっすねぇ~!」 宇田には緊張感のかけらもなかった。 (何なんだ…―この嫌な感じは…?沢や東堂に似た感じだが、また違う何かがある。) 笹尾には感じていた。 投手が時々感じる、打たれるかも知れないという直感が…― 第ニ球は内角にストレート。いいコースに決まりストライク。 宇田はまたピクリともせず見送った。 第三球はカーブ、これもピクリともせず見送り、2‐1で追い込んだ。 「笹尾さんってこの程度なんすか?」 「何!?」 「オレはもっと違う何かあるかと思ったのにな。」
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

435人が本棚に入れています
本棚に追加