15人が本棚に入れています
本棚に追加
私は授業が始まる一分前からカウントまでしてしまっていた。
……3、2、1
-キーンコーンカーンコーン…
チャイムと共に扉が開いた。
私はやっぱりカッコいいと思った。間近で見るともっとカッコいい。
私は二度目惚れをしてしまっていた。
「はい、授業始めます。」日直が号令をかける。
「きりーつ。気負付け。礼。」
『お願いします。』
井川先生ファンクラブの人達はいつもより可愛く、大きな声で挨拶をした。
《うわ、目がハートになってる》
私は心の中でそう呟いた。「はい、じゃあ出席とります。あ、みんな、俺の名前覚えてくれてるよなぁ?はい、じゃあ、フルネームで。赤木さん!」
名簿を見ながらだけど、私の名前を呼んでくれたのは嬉しかった。
「えーと…」
私は考えてなんかない。毎日ずーっと考えている名前なんだから。
最初のコメントを投稿しよう!