《銀河鉄道の夜》

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店内はカウンター席が主であり、奥に四人用の座敷が二席。 決して広いとは言えないが一人で営む居酒屋としては広い部類だろう。 都会にそう遠くない田舎では《酒を飲む》ことを目的にしてやってくる大学生等はいないに等しい。 『お客様に 恵まれているんです。』 いつだったか店主が言っていた。 それ以前に若者はこういった古臭い店は好きではないのだろう。 都会のお洒落な雰囲気に惹かれた頃が私にもあったような気がする。 私に前世があったなら、それはきっと古臭い居酒屋の店主であっただろう。 そう考えると私と店主の不思議な関係も頷ける。 私はそんなことを考えた。
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