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雨の日は客足が遠退く。と言われる通りカウンターが埋まることも無く日付が変わろうとしていた。
七、八割が見たことのある顔だ。
床屋を営む《米村さん》
アパレル会社に勤める《石津くん》
金物屋の《前田さん》
名前を挙げればキリがない。
常連と呼ばれる人は必ずと言っていい程、店主に近況報告をしていく。
仕事、恋愛、生活、何でもないことから人生を左右するような悩みまで。
酒を飲みながら
肴をつまみながら
話終えた人は何かを決めたように
『また来るよ。』と
いつもの言葉を言い残し、ほろ酔い顔で帰って行く。
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